やまのぼブログ

山登りなどの記録

甲山〜ごろごろ岳 西宮の山々と聖地を歩く

2024年2月17日、日帰りで甲山(かぶとやま)とごろごろ岳に登りました。

甲山は西宮市の山で、お椀を伏せたような形状をしており、西宮のシンボル的な存在で、ふるさと兵庫100山に選ばれてます。六甲山地に含まれるものの主稜線から離れた場所にあり、形成過程も六甲山は断層の活動で隆起したのに対し、甲山は火山の噴火によって形成されており、地質も花崗岩のほかに安山岩も見られるなどの違いがあります。

ごろごろ岳は西宮市と芦屋市の境界にある山で、標高から名前が付いたそうですが、岩がごろごろしている、雷が多い、などの説もあるようで、1956年に改名される前は「雷岳」と呼ばれていたそうです。ポンポン山と同様、特徴的な名前なので、山登りを始める前から地図上で存在を知っていた山です。

どちらも興味がありましたが、今回両方合わせて登ることにしました。阪急甲東園駅から出発して甲山に登頂した後、鷲林寺(じゅうりんじ)、観音山(かんのんさん)を経てごろごろ岳に登頂します。下山は苦楽園尾根を経由して阪急甲陽園駅まで歩きます。標準コースタイム6時間程度の山行計画です。

阪急甲東園駅に着いて、8時5分出発。この駅で下りたのは初めてです。晴れ予報だったのですが、なぜか雲が広がってどんよりしてます。

駅前からすでに落ち着いた街並みです。坂を登っていくと、戸建ての家の駐車場に、もれなく高級車があるといった感じでした。つまり、高級住宅街ということです。

学園花通りという高級感満開の名前の道を歩いていくと甲山が見えました。梅園があって梅が満開だったけど、画像がブレてたのでボツにしました。

15分ほど歩いたところで、関西学院大学の正門前に来ました。関西を代表する私立大学のひとつで、甲山を借景にしたキャンパスにはアカデミックな雰囲気が漂っていました。

キャンパスの裏手にある上ヶ原浄水場に向けて標高を上げていくと、北側にある仁川との間に大きな段差があるのが分かります。この辺りは阪神淡路大震災で大規模な地すべりが起きた地域です。さらに登っていくと甲山森林公園の入口に着きました。

この付近は大阪城の石垣に使われた石を切り出した場所で、大きな岩がところどころにありました。

途中にあった休憩所の展望台から。空がどんよりしてるのが残念。公園を歩いてる途中だったか、甲山を登る時か忘れたけど、右足の股関節あたりに少し違和感があったので様子を見ながら歩きました。

比較的新しい感じのお手洗いで用を足しました。利用したから撮影したのではなく、この右奥に進みます。もし無かったら、道なりに歩いてしまいそうな感じ。

登山口は、甲山自然の家という施設の広場の左側にあります。

ようやく登山道になりましたが、すでに標高170mくらいまで登ってきたので、甲山山頂まであと130mちょっとです。

途中から階段になりました。

登山道に入って15分ほどで山頂広場が見えてきました。

9時20分、甲山(309m)に登頂。とりあえず山頂標識を発見。

広場には標識とモニュメントがある以外、何もありません。

西には六甲山が見えました。春から秋にかけては葉が生い茂っているだろうから、さらに眺望はなくなると思われます。

ベンチがあまり見当たらないなと思ったら、広場の外周の低くなってるところに(たぶん10箇所くらい)2つずつありました。おにぎり食べて小休憩。

滞在時間10分ほどで甲山を後にしました。

こちらの道はわりと新しそうで、よくありがちな丸太を模した部材で作った階段がありました。滑り止め加工があったりなかったりで要注意。

北山貯水池に着きました。稜線が重なってるけど、奥の稜線は六甲全山縦走のルートで、水無山、船坂峠、大平山などが見えました。手前左の稜線に、これから登る観音山(かんのんさん)があり、左端辺りにごろごろ岳があると思いますが、どれかは分かりません。北山貯水池は仁川の水を有効活用するために作られた池で、その仁川は水無山や大平山のほうから流れてます。

南東方面は開けていて、金剛山や大和葛城山が見えました。こちらも登ろうと思いながらまだ登れてません。昨年金剛バスが廃業したのでアクセスが悪くなりますが、いわゆる葬式鉄みたいな感じになるので、あえて乗り納めしませんでした。

逆さ甲山。歩道橋から撮影できたら良かったけど、鍵が掛けられて入れませんでした。画像をアップしてみたら、思ってたより暗いトーンで修正するか迷ったけど、修正したところでどんよりした空がスッキリする訳ではないのでこのまま投稿します。

昨年5月の大雨で土砂崩れがあり鷲林寺方面への道は通行禁止になってます。甲山から鷲林寺に向かうには池の北側の墓地を抜けても行けるけど、逆さ甲山を見るため、通行止めと知りながらこちらに来ました。

ということで、大回りします。途中、茂みからガサガサと音がして身構えました。たぶん小動物なんだろうけど、何がいるか分からないし。

右奥から歩いてきたら池(東屋の奥にある)が見えて、そろそろ分岐があるはず、と思ってたら分岐がありました。画像の左へと進みます。

すぐ道路に出ました。神戸市北区と西宮市を結ぶ主要道路で、3年前の山行で利用した「さくらやまなみバス」も走る道。交通量が多く、両側から次々と車が来るので、タイミングを見計らって歩道があるほうへ渡りました。

15分ほど歩くと道路上に大きな岩がありました。

夫婦岩という岩で、以前バスに乗った時に見て、かなりインパクトありました。なぜ残したのかなと思ってたけど、この記事を書く時に調べたら、どうやら除去する日の前に工事関係者に不幸が起きたことが2回ありそのままになっているのだそうです。夫婦の関係を壊すな、ということでしょうか。

鷲林寺のバス停に着きました。観音山に登るだけなら、ここから出発で良いかもしれないけど本数は少ないです。

途中でショートカットの道へ。おそらく当初は木の根で躓かないようにアスファルトで舗装したんだろうけど、持ち上がってたりしてデコボコしてます。

バス停から15分ほどで鷲林寺に着きました。

鷲林寺を知ったのは2年前の秋。都市景観賞を受賞したお手洗いを撤去したという記事を見ました。もともと参拝者用だったのを登山者にも開放していたけど、一部マナーが悪い利用者がおり、檀家の方の寄付できれいなものに建て替えたけど改善されず、苦渋の決断をされたそうです。現在は修行者の更衣室に転用されてるそうで、見ようと思ってたけど探し回るのもなんなので確認しませんでした。

ちょっと心もとない丸太の橋を渡って登山道へ。

歩いていくと、登山道と思われる道の左上の尾根を歩く人影。そっち?と思いつつ踏み跡あるので歩いていったけど、やっぱり違ったようで正しいルートに復帰。

だんだん岩々しくなってきました。

ロープが設置されているところもあるので、岩場に自信がない人や経験の浅い人でも登れると思います。

そろそろ登りが終わりそう。

11時10分、ちょっとした広場に出ました。観音山の山頂ではないけど眺望が良い場所。座りにくいし荷物も置きにくかったけど、ここで食事休憩にしました。気付いてなかったけど、真ん中奥の岩の左面に「観音山」と書かれていたようで、どうりで撮影してた人がいた訳だ。(その手前で休憩しました)

観音山の標高は526mですが、ここは510mほどです。

さてさて眺望、東には甲山と北山貯水池、その左には阪神競馬場が見えます。

南東方面には西宮の中心部。真ん中から右に伸びる線は夙川、その右端の上には西宮神社の鎮守の森が見えます。神社の左が阪神西宮駅付近、中央がJR西宮駅付近、左端が阪急西宮北口駅付近。左下の森は北山公園です。

大阪の上空はモヤっとしてました。こうやって街の景色を見てると、人間なんてホントちっぽけな存在だなと。北アルプスとかの山深い場所もいいけど、身近な風景を見下ろすとスケール感が分かるような気がします。

反対側には、前回登った六甲山や西おたふく山。こちらから、この距離で見るのは初めてなので、また違った感じがしました。右には芦有(ろゆう)ドライブウェイの道や東六甲展望台が見えました。

30分ほど休憩してから行動再開。観音山の山頂は分からなかったけど、ちょっとルートを外れたところにあるようです。鷲林寺からの登山道は4つで、この岩場の手前に右へ下りるルートがありました。

六甲山系らしい両側が笹で覆われた道 with 石段。途中にガベノ城への分岐があったけど、特にお城という感じではなく、展望もないようなので立ち寄りませんでした。

今回のルートはほぼ西宮市内だけど、この辺りは西宮市と芦屋市の境界部分。芦屋市の通報プレートが付いた道標がありました。この辺りが今回一番標高が高い場所(約575m)でした。

芦屋側にはフェンスがあり、すぐ近くまで建物が建ってるところもあります。

奥池というエリアで芦屋の山中にある住宅街ですが、ちょっと曰く付きの場所もあって、個人的にあまり近寄りたくないエリアです。

そろそろかなぁ、と思いながら歩いて、ここを登ったところでふと振り返ると。

あった!(ひとつ前の画像は一旦引き返して撮りました)

12時10分、ごろごろ岳に登頂。「ごろごろ」の表記はひらがなもカタカナもあるそうです。阪神淡路大震災で低くなり現在は565.3mで、断層の向こう側にある六甲山は12センチ隆起したそうです。六甲山系で唯一「岳」が付く山ですが、はっきりしたピークがないので、麓から見ても判別が難しそう。

撮影だけして下山開始。道の途中に大きな石がごろごろしてました。左のほうにもあります。

鉄塔の向こうにポートアイランドや六甲アイランドが見えました。この方向から見るのは初めて。どうやらこの送電線が、風吹岩や前回歩いたの天狗岩南尾根のほうに繋がってるようです。

段差が大きいところは、腰を下ろして岩に手を付いて下りて行きます。

同じ道でも、下から見ると全然違った感じ。

こちらは芦屋浜方面。そういえば、いつの間にか股関節あたりの違和感はなくなってました。

えぐれて深い溝になってるところも。

12時50分、苦楽園尾根登山口に到着。登山口の直前でT字路があり、左に進むとこの階段から下りてきます。右には鉄塔があり、この画像の左に道が続いてるようだけど、こちらに下りるほうが良いと思われます。

そして、ここでようやく晴れてきました。大阪のビルや生駒の山が見えます。苦楽園という地名は知ってたけど、こんなに標高が高いとは知りませんでした。ここからあと200m以上下ります。

この青空、もっと早く欲しかった。この辺りも高級住宅街で、生垣の下には巨大な石垣がありました。苦楽園の南西には六麓荘という芦屋の高級住宅街が隣接してます。

分かる人には分かる坂道に来ました(自分は分かりません)。

県立西宮北高等学校の前の道です。

アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」に出てくる通称ハルヒ坂。原作者の谷川流さんは、この高校と関西学院大学の出身だそうです。

ハルヒ坂は下りずに引き返します。ここにも梅が咲いてました。歩いてるうちにまた股関節に違和感が出たので、舗装路歩きが原因なのかな。

再び主要道路(500mほど離れたトコ)に出ました。道路沿いを流れる夙川の水がきれい。

字が消えてるけど、伊之助が出るようです。刀を与えないように(違う)。

立ち寄らなかったけど、近くに越木岩神社があります。

ここも見覚えがある場所。銀水橋という橋の上でした。あとで調べたら、この付近にもアニメに登場するシーンがあるそうです。

よく見ると滝のようなものが見えましたが、ここも寄らずに駅に向かいます。

13時35分、阪急甲陽園駅に到着。この駅を利用するのも阪急甲陽線に乗るのも初めてでした。この駅もアニメに登場するそうで、期せずして聖地巡礼をしたようです。休憩込みで5時間30分の山行でした。

夙川駅で阪急神戸線に乗り換え。夙川は桜の名所なので、次行くとしたら桜が咲く時期にしようかな。

ということで、今回の山行終了です。これまで六甲山系では六甲山や摩耶山の周辺がほとんどでしたが、他にも登りたい山はあるので、ぼちぼち行けたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。