やまのぼブログ

山登りなどの記録

焼岳〜西穂高岳縦走(敗退記)

2023年7月6日、焼岳に登りました。

タイトルにもあるように、今回焼岳から西穂高岳への縦走を計画していましたが、焼岳のみの登頂となりました。

焼岳は長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる北アルプスの山で、中部山岳国立公園に属し、日本百名山に選ばれてます。火山活動が多い山で、水蒸気爆発や降灰、泥流などを繰り返してます。

今回のルートは、1日目に焼岳に登ってから西穂山荘まで移動、翌日早朝に出発して西穂高岳まで往復して上高地に下山する予定でした。新穂高ロープウェイは工事のため運休。冬場は工事できないだろうし、利用者が多い時期を避けたら必然的にこの時期になるのでしょうね。

前日の夜行バスで出発。

翌朝、中の湯バス停に到着。バス停はトンネル出入口のすぐ手前にあって、通行に支障があるので少し手前で降車。身支度して5時半に行動開始しました。

新中の湯登山口までは約1時間。つづら折りの途中、4〜5号カーブの間を歩いていると上のほうから女性の叫び声とトレッキングポールが当たる音。まさかクマ?それとも蜂とか?いや、車がクラクション鳴らしてる。カーブを曲がるとサルが2頭、そして車に乗り込む女性。うまく難を逃れたようです。自分は軽く一瞥して確認した後はガン無視で通り抜けました。興奮状態かもしれないからちょっと緊張しましたけどね。

中の湯温泉のトコでショートカット、宿の裏手から山道に入ります。

登山口に着いてちょっと一息。吊尾根が見えました。

焼岳は活火山。当日は噴火警戒レベル1で登頂可能だったけど、レベル2以上になると入山規制が行われます。

山頂が見えてきました。思ってたよりキツいものの、この辺まではコースタイムくらいのペースで来れてました。この辺までは。

山頂と言っても、この時はまだどれが山頂かは分かってません。

下堀沢出合を過ぎて樹林帯を抜ける頃には、明らかにペースが落ちてきました。実は今回、テント泊装備での登山。普段のペースを基準に、装備考慮してもコースタイムより少し遅いくらいと見積もっていたけど計算が甘かったようです。

上に人が居るのが見えました。どうやらこちらが北峰のようです。山頂左下から蒸気を吹き出していました。

そして南峰。こちらのほうが高いけど崩落の危険があり無雪期は立入禁止だそうです。

北峰と南峰の鞍部から火口湖の正賀池が見えました。火山らしい光景です。

鞍部からは切り立った溶岩ドームの横を通過します。通過した後に撮ったので分かりにくいですが。

そこを通過して登りきると、穂高の山々がどーん!

上高地との高低差がすごすぎる。

左には槍ヶ岳。どこから見てもよく目立ちますね。

西穂高岳から前穂高岳、上高地から見るのと違って奥穂高岳が一番高いのが分かります。手前にあるジャンダルムが奥穂高岳山頂と同じくらいの高さに見えます。

反対の南側に位置する乗鞍岳はなだらかな山容。かなり高い所までバスで行けるので、最も登りやすい3000m峰だそうです。

ここまで来たら北峰山頂はすぐそこ。目印に従って進みます。

実はピークに立ち寄るか、寄らずに先を急ぐか迷いました。この時点で予定より1時間遅れ。登頂せずに行ってもこのペースだと西穂山荘到着は17時以降になりそう。何より、焼岳はいつまた規制がかかるかもしれないし、上高地に下山することも検討しつつ山頂を踏むことにしました。まあこの高さを下るのもたいへんそうだけど。

11時半、焼岳北峰(2444m)登頂。考えてみるとテント泊装備での標高差1100mは過去最大(まだ登り返しが控えている)。1日の予定行動時間もテント泊装備では過去最長。未体験の領域に挑んでいた訳ですね。

目の前には、焼岳小屋までの激下り。

そして西穂山荘までの登り返しを見て、敗退ムードが濃厚になりつつあります。

小屋に向かって下りて行くと、笠ヶ岳にかかってた雲が取れて姿を現しました。横縞の地層が特徴的です。そして強風が吹いてきました。涼しいけどザック大きい分あおられるし。

おそらく槍ヶ岳は今回これで見納めになるでしょう。

展望台で振り返って1枚。下りの途中で20mほど離れたガレ場を登る女性が2人。自分が道を間違えたのかと思い「そっち道ありますか?」と尋ねると、「(そっちは)ザレて滑るのでこっちにしました。」とのこと。結局そのまま登って行ったけど、それでいいのか?

焼岳小屋の分岐に到着。さらに30分ほど遅れてます。

休憩しながら最後の考慮。第3の候補として「ここで宿泊して明日西穂方面の途中まで行って下山する」という案も浮上。

しかーし、携帯が圏外。これが決め手となって上高地への下山決定。ドコモなら繋がるのかな?eSIMでドコモ系の回線追加を本格的に検討するべきか。

さて、上高地ルートはハシゴがあるなどの情報は知ってました。テント泊装備担いでのハシゴは初めてだけど、これもまた経験ということで。

鎖がかかった岩、その先にハシゴが見えてきました。

高度感とかは特に気にならなかったけど、荷物大きいし疲れていたので油断しないように慎重にいきました。

この架け橋も無難に通過。この後も小さなハシゴが続きます。後半、傾斜が緩くなっても足取りが重く、2時間半ほどかかったけど焼岳登山口到着。

西穂高岳登山口の前で「ここに下りてくるはずだったのにな」と悔しい思い。

焼岳に登る途中で「この辺にも出るらしい」との会話が聞こえたけど、上高地周辺にもよく出るそうです。

たぶんカラマツソウ。まだまだ知らない植物いっぱい。

小梨平でお風呂に入ってから散策。焼岳は北アルプス初心者向けとのことで、昨年登った奥穂高岳より登りやすいと思うけど、さすがにテント泊装備では厳しかった。それでもテント泊装備で登頂したのは事実だし、どのくらいの標高差や行動時間が適正範囲内か、現時点の実力を知る目安にもなったと思います。

そして今回は叶わなかった西穂高岳登頂。次は上高地から登るか、ロープウェイ再開してから登るか、どちらにしても改めて登りたいと思います。

さて、テント泊ではなくケビンに宿泊。西穂山荘のテント場+水+トイレ、帰りのバス変更の差額などを計算すると大差ないこと、そしてテント設営や撤収、帰宅後の手入れなども考えて、そもそもテント泊する必要ないのでは?ということで。快適に過ごせたけど携帯つながりにくかったのが難点。

今回荷物の量を減らすためにやってみたこと。カップ麺の中身だけ持参。約半分の大きさになるしゴミも減らせるので今後もやろうと思います。

翌朝起きると、すっかり明るくなってました。そして「今頃あの稜線のどこかを歩いてたのかな」と思いながら眺めました。

ご飯食べて9時前くらいにチェックアウト。とりあえず写真を撮る。

帰りのバスまで時間があるので木陰のテーブルで休んでると、定年後と思われるご夫婦が木陰を求めて来られたので、相席してお話相手させていただきました。どこからか、ふわふわした綿毛が飛んでくるなと思って見ていると、「ドロヤナギの種」と教えていただきました。時期によって新しい発見があるものですね。

この付近にライブカメラがあって、今年から冬期も配信しているそうで、家に居ながら上高地気分を味わえるようです(映像だけなので音楽はお好みで)。いろいろお話しお伺いできて良い時間を過ごせました。

つい先日出たようです。イラストではかわいく描かれるけど、野生の動物に遭遇するのは危険なことですよね。

バスターミナルからも焼岳の山頂が見えました。次登る時は荷物を軽くして行くと思います。縦走はたぶんしないでしょう(苦笑)。

ということで、悔しい敗退でしたが、この経験を次に活かしていけたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。