やまのぼブログ

山登りなどの記録

立山 はじめての北アルプス&テント泊(前編)

2022年8月1日〜3日、立山を縦走をしました。

立山は富山県の東部に位置する北アルプス北部の山で、雄山、大汝山、富士ノ折立の3つのピークの総称です。日本百名山、新日本百名山、花の百名山に選ばれ、日本三大霊山のひとつでもあります。豪雪地帯で、毎年立山黒部アルペンルートの開通時には「雪の大谷」が見られることでも知られ、標高2450mの室堂まで交通機関でアクセスできるので、登山のみならず観光客も多い山です。

北アルプスの中では難易度が低いということで、はじめての北アルプス登山に選びました。そして今回、はじめてのテント泊です。1日目は室堂ターミナルを出発して立山から別山まで縦走し(余裕があれば別山北峰に寄って)、剱沢へと下りて宿泊。2日目は別山乗越を越えて(余裕があれば剱御前に寄って)雷鳥沢へと下り、荷物を軽くしてから奥大日岳に行こうと考えてましたが、予定を変更して登りませんでした。3日目は室堂ターミナルへ戻って下山します。縦走といえるのは実質初日だけですね。

夜行バスに乗って5時50分、富山駅前に到着。予約しておいた立山黒部アルペンルートのきっぷを電鉄富山駅の発券機で発券して、6時5分発の立山駅行きに乗車。

車窓の景色を見てるとギザギザした山がありました。あれが剱岳、いつか登りたいな。登れるのかな。

立山駅に到着して7時20分発の立山ケーブルカーに乗り、美女平で7時40分発の立山高原バスに乗り継ぎます。アルペンルートを利用するのは2回目。前回は2008年に扇沢から富山へ通り抜け。室堂の滞在時間は2時間弱で、みくりが池や立山室堂山荘など散策したけど、ガスって残念な状態でした。

8時30分、14年ぶりの室堂に到着。今回は晴れてよかったです。登山届はインターネット経由で事前に提出しました。

立山玉殿の湧水という湧き水、冷たくてとてもおいしい水です。ハイドレーションとウォーターパックに計4リットル入れたかな。テント泊装備、カメラなどと合わせて総重量20kg超えで普段の倍以上あります。はじめての北アルプスなのに負荷かけすぎ。これは携帯の画像、やはり携帯のほうが空の色が濃いめに出ます。

8時50分、登山開始。高い部分の右が雄山、真ん中が大汝山、左が富士ノ折立です。雄山の右の鞍部が一ノ越で、まずはあそこを目指します。

立山の左方面。右寄りの高い山が別山、中央左の鞍部が別山乗越(べっさんのっこし)です。

同じく右方面。左の山が浄土山。立山、別山、浄土山を合わせて立山三山と呼ぶそうです。

室堂から山頂までの標高差は約550mだけど、テント泊装備で登るのがどれだけたいへんか、この時はまだ知りませんでした。

雪渓を何度か渡ります。チェーンスパイクを持ってたけど装着するほどではありません。一ノ越までは石畳の道が整備されてます。

雪渓の真ん中からの景色。8月でもこんなに残ってるんですね。

立山室堂山荘の後ろに見えるのが奥大日岳。真ん中のぴょこっとした小さな突起が山頂です。

小休憩を取りながら1時間以上登ってきました。登山道は歩きやすいけど思ってたよりキツいです。

10時15分、一ノ越(2700m)に到着。

これまで見えなかった北アルプスの山々が見えました。

あのトンガリは、ひょっとしなくても槍ヶ岳じゃないですか!穂高はちょっと雲に隠れてたのが残念。はじめて見て嬉しかったのと、いつか登りたいと思って眺めてました。槍ヶ岳の左には野口五郎岳が見えます。

近くにいた方が笠ヶ岳(右端の山)を教えてくれました。槍ヶ岳と笠ヶ岳の間にある高い山は水晶岳と思われます。

20分ほど休憩して景色を堪能したので行動再開。あと300m、ガレ場を登ります。

大日岳の向こうに富山平野が見えました。

お地蔵様は、どれだけの登山者を見てきたのかな。

後半は少し登っては休憩を取ってました。一ノ越から雄山までは色分けされた目印があり、登りが赤、下りが黄色です。難しくはないけど荷物が重いのでキビシイ。

12時頃、雄山に到着。一ノ越から1時間半かかりました。まだ最高地点ではないけどとりあえず日本百名山3座目です。雄山の最高地点は雄山神社の祠がある場所で、そこに行くためには登拝料700円必要です。

黒部峡谷の向こうにある後立山連峰は雲に隠れてました。

受付で登拝料を払って、ザックをデポして最高地点に向かいます。

前の方々と入れ替わりで登ります。

雄山(3003m)に登頂しました。祈祷中は撮影禁止です。

祈祷開始までの待機中、少し雲が取れてきました。

山頂から黒部ダムが少しだけ見えます。祈祷して頂いた後、バンザイ三唱して終了。次々と人が来たので、先に済ませておいて良かった。

食事の準備しながら、向こうに見える山は何かなと思ってたら、近くに居た地元の方が「鹿島槍」と教えてくれたので、こんなに近くに見えるんやー、と思ってました。食事してるうちに雲に隠れてしまったので雲が取れるまで粘って撮影。手前にある雪渓は御前沢氷河、国内に現存する氷河の一つで2012年に氷河と認定されたそうです。

帰って調べたら、中央右が針ノ木岳、真ん中が蓮華岳、左端が赤沢岳でした。そもそも黒部ダムより南に鹿島槍はないですよね。こどもが多いと思ったら、地元の方いわく、富山では小学校の行事で立山登山をするとのことでした。

なんだかんだで1時間ちょっと経過。少しゆっくりしすぎたので先を急ぎます。向こうに見えるはずの剱岳は雲で隠れてます。

眼下には山崎カール。幅約400m、長さ約600mあるそうです。

雄山神社の裏側。すごいところに建ってますね。

縦走路は思いのほか岩々してました。

13時30分、大汝休憩所に到着。

ここを登ると最高峰の大汝山(3015m)だけど、予定より時間が押してるので、山頂には立ち寄りませんでした。

少しなだらかな道になりました。左には剱岳が姿を現しました。

雷鳥発見!ヒナもいます。

敵から身を隠すため、晴れてる時にはあまり姿を現さないそうだけど、雲が広がってるから出てきたのかな。

もう1羽発見。あまり近付き過ぎないほうがいいけど、登山道のすぐ近くを歩いてました。

はじめての北アルプスで見れてラッキーでした。

13時55分、富士ノ折立(2999m)の下に来たけど、ガスにすっぽり覆われてたのと、時間や体力の関係もあってここもパス。富士ノ折立を過ぎると急な下り坂。荷物が重いので下りも結構厳しいです。

室堂の上空も雲に覆われてます。

かなり下りてきました。下に見える雪渓は内蔵助氷河で、こちらは2018年に氷河と認定されたそうです。

はじめて見る高山植物。紫の花は画像検索によるとヨツバシオガマ。左下の小さな白い花は、西穂高岳でも見かけたイワツメクサです。

以前歩いたみくりが池や立山室堂山荘が見えます。こうやって俯瞰して見ると全体のスケール感が分かります。右にある地獄谷は火山ガスの濃度が高くなり、2012年から立入禁止となってます。

ケルンの奥に山頂が見えてきました。

14時40分、真砂岳(2861m)に登頂。なだらかだけどラクではありません。

別山への急な登り返し、ガスに覆われ冷たい風が吹いて、さらに地獄谷からの火山ガスの匂い。ちょっと辛い状況が続きましたが、徐々にガスが薄くなりました。

15時55分、別山(2874m)に登頂。目の前には雲をまとった剱岳がありました。10数年前、映画「劔岳 点の記」を見て、いつか見たいと思っていた山です。

少し待てば雲が取れるかも、ということで待つことに。別山神社の祠がありました。

歩いてきた稜線。真砂岳からも意外とアップダウンがありました。

そうこうしてるうちに、徐々に雲が流れていきました。

願いが届いたのか雲が取れて、感無量になりました。

まだ少しガスってるけど、これでも十分。

と思ってると、すぐ隠れたりして。

別山北峰も時間がないのでパスしました。テント場は見えてるけど時間かかりそう。ちなみにブログ開設時からヘッダに表示してる画像はこれを加工したものです。

立山方面もガスが取れて、いい感じになってきました。

なんだかんだで20分経過してたので行動再開。

この雪渓の左に登山道があります。

剱岳を眺めながらの山歩き。急斜面の下りで何度か靴の後ろを岩にこすってしまいました。

剱岳の左側。中央のピークが剱御前。中腹には剣山荘からの登山道が見えます。

さらに左側。別山乗越から人が下りてくるのが見えました。

30分ほど下りてきたけど、まだまだかかりそう。

別山乗越からの登山道に合流。ここを下りるのに40分かかりました。

合流地点からさらに20分以上歩いて、やっとテント場が近付いてきました。

17時30分、剱沢キャンプ場(2520m)に到着。十分スペースありました。予定では16時30分までには到着できると思ってたけど、見積もりが甘かったです。受付で手続きしてテント設営してると、途中で小雨が降りだして、張り綱を張る頃には本降りに。当初は降る予報ではなかったので油断してました。こまめに確認しないとダメですね。最低限のことだけしてテントの中に退避。つかれてたからか食事はあまり喉を通りませんでした。りんごのドライフルーツがあったので食べる。つかれた時にはやっぱり甘いものですね。

結局2時間くらい降って、雨が止んでから外に出ようとしたら、登山靴の片方に雨がかなり入ってました。とりあえず逆さにしておく。たぶん22時頃には横になったと思うけど、雨が止んでも風が強くて、張り綱がちゃんと張れてないからなのか、単に風が強いからなのか、テントがバタバタしてたのと火山ガスの匂いが漂ってあまり眠れませんでした。

0時30分頃、目が覚めて外の様子を見ると満天の星空。初めて天の川を見れて感動しました。はくちょう座のあたりを撮影したけどピントが合ってなかった。無限遠じゃダメなんですね。ちょっと前に軽量小型の三脚を購入して今回はじめて使いました。あまり高く伸ばせないけど重くなるよりは良いし、遮られるものがない場所に移動すれば良いだけなので特に不満はありません。

ということで、いろいろあった1日が終了しました。

後編へと続きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。