やまのぼブログ

山登りなどの記録

剱岳 最高難度の百名山を楽しむ(2日目前編)

1日目後編はこちら↓

yamanobojp.hatenablog.com

2日目、9月27日。3時にアラームをセットしてましたが、それまでには起きて、外の様子を見ると細い月が見えました。いろいろあって(前回記載)寝不足なのに加え、高山病の症状が出てるのか頭痛気味。

ご飯を食べてから、下山後に撤収しやすいよう(それと、万が一の事態を想定して)、ある程度テント内を整理。4時に出発予定でしたが、テントを出たのが4時25分頃。テントの外には数センチの大きさのクモが何匹か地面を這ってました。キミらこの時間に活動してるん?先日の恐怖体験と比べたらマシでしたが、意外でした。

靴ひもを締めて、4時30分出発。すでに前剱の辺りまで登ってる人がいるようで、明かりが見えました。剱澤小屋付近までは偵察してましたが、その先を歩くのは初めて。ヘッドライトで照らしながら、マークを見落とさないよう注意して進みます(手ブレがひどいですが載せておきます)。

5時、剣山荘に到着。東の空が赤く焼けてました。出発時は少し寒かったので、Tシャツの上にフリースとウインドブレーカーを着てましたが、フリースを脱ぎました。装備は、20リットルのアタックザック、水は2リットルのハイドレーションと予備のペットボトル1本、行動食(カロリーメイト4本、ミニようかん2個)、塩分チャージタブレッツ適量、レインウェア上下、救急セットなど。あと、カメラや携帯などもあるので、概算で5kgくらいかな。

剣山荘の横に案内図があります。小屋の前を通ると思ってましたが、建物の左側に道が続いてます。

五竜岳と鹿島槍ヶ岳、そしてその間にある八峰キレットの稜線が浮かび上がります。

1番目の鎖場、ここは鎖を使わなくても登れる程度。

2番目の鎖場、ここも同じような感じ。またもやブレブレ。

富山の市街地方面、少しだけ灯りが見えます。この辺りでヘッドライトを消しました。

薄明に佇む前剱。「薄明に佇む」は石鎚山の時に思い浮かんだ言葉で、某アニメとは無関係です。

5時30分、一服剱(2618m)に登頂。

一服剱から30m以上標高を落としてから、前剱への登りが始まります。下りたところは武蔵(たけぞう)のコルで、東側は武蔵谷、西側は東大谷という谷があります。武蔵を「たけぞう」と読むのは初めて。ちなみに谷は「たん」と読むそうです。

画像では看板の文字がよく見えませんが、ここから先は浮石が多いから気を付けろ、とのこと。

3番目の鎖場、前剱大岩。ここから鎖場に名前が付いてます。さらに登ったところで空腹感があり、カロリーメイトを食べました。というか、前剱までの登りがキツくて、登頂できるのかな?と思いましたが、標準的なペースで登れてたようです。

4番目の鎖場、前剱。奥に見えるピークが前剱です。

前剱の手前で、ようやく剱岳の山頂が見えました。

前剱まで、あと少し。

登りと下りに分かれてます。登りは右の岩場を登って前剱のピークを通ります。

6時35分、前剱(2813m)に登頂。

山頂から伸びる源次郎尾根と八ッ峰の稜線。あちらはクライミングの領域です。後立山の稜線もよく見えます。

南側の景色。剱沢の向こうに立山、左には針ノ木岳や赤沢岳などが見えます。

そして、目の前に剱岳がどーん! 少しの間、やさしい尾根歩きになります。

次の鎖場が見えてきました。

ここを左に下りるとブリッジがあり、ちょうど渡ろうとしてる人がいます。

右の谷には、少しだけ雪が残ってました。

ブリッジへ下りる岩場にも細い鎖がありますが、ある程度岩場に慣れてたら使わなくてもいけると思います。

ブリッジの前に来ました。長さは4mあるそうです。風が強い時は怖いかも。

左側はこんな感じ。この下には下山用の道があります。

右側はこんな感じ。この上に鎖場があります。

ということで、5番目の鎖場、前剱。4番目の鎖場と同じ名前です。右に移動してから登ります。摩耶山の命崖と同じパターンですね。看板の右下のやや白っぽいところを通りましたが、さらに下の割れ目のところも通れたようです。勢いで上に上がったので、鎖の位置が低くて歩きにくかったです。

ブリッジを渡ってから振り返って鎖場の反対側。こちらは落ちたらヤバそう。

同じく鎖場側。この程度なら、もし落ちても大ケガくらいで済むかも。足場も鎖もしっかりしてるので、特に怖くはありませんでした。

6番目の鎖場、前剱。また同じ名前です。ここは大きく下ります。

下りたところ。ここも岩場に慣れてる方なら、特に難しくはないと思います。

左のほうから歩いてきたところで、下山の鎖場に合流しました。

前剱の門という場所。この切れ目が門なのかな。

また平坦な道になりました。たぶんこの先で、最初のすれ違いがありました。

雲海の向こうに白山が見えます。ちょっと分かりにくいですが。

また下山の鎖場と合流しますが、ここは右へ。

7番目の鎖場、平蔵の頭。頭と書いて「ずこ」と読むそうです。足を掛けられる岩がないので、鉄筋を足場にして進みます。ここを登った後、また大きな下降があります。

次の鎖場までの道はトラバースで、登りと下りで同じ道を歩きます。途中、何箇所かで巨大なナメクジみたいなのを見かけました。何かの間違いかと思いましたが、帰って調べたら同じような記述があったので、やっぱり本物だったようで、おそらくヤマナメクジと思われます。

8番目の鎖場、平蔵のコル。この奥に進んでから登ります。

平蔵のコルからは難易度E。カニのたてばいを登る人が見えます。

この谷は平蔵谷(へいぞうたん)。滑り落ちたら止まれなさそう。

この岩を越えて、ここまで来ました。

9番目の鎖場、カニのたてばい。登りで一番の難所と言われる場所です。

左の鉄筋のステップを登って鎖に取り付きます。正直なところ、岩場の怖さはありませんでした。六甲山でそれなりの岩場を経験してるのと、鎖もしっかりしてるので。それよりも、言葉が通じなくて意思疎通できない人のほうが怖いです(ヘイトとかではないです)。詳しくは書きませんが、よりによってもう一つの難所でも渋滞待ちしてたら追いつかれてしまいました。

難所を通過した後も鎖場が続きます。

下山ルートとの分岐地点から、また登りと下りで同じ道になるので、すれ違いが難しい場所では譲り合って進みました。

早月尾根の分岐の標識だそうです。

そして、山頂が近付いてきました。

8時、剱岳(2999m)に登頂。これで日本百名山11座目です。この祠は10年前に設置されたもの。最初は1957年に設置され、老朽化のため2007年に下ろされ、翌年新しく設置されたものの2011年に落雷で破損、翌年から修復して2014年に設置、その後2020年に御神体が奉納されたそうです。

南側には、立山の向こうに北アルプス中心部の山々が見えます。画像右端の岩の上で記念撮影してる人が多かったです。どうやら源次郎尾根の上端で、「この先キケン」と書かれたプレートがあるそうです。

右から薬師岳、黒部五郎岳、笠ヶ岳、水晶岳などが見えます。

うっすらとですが、槍ヶ岳が見えました。立山の左のピーク、富士ノ折立の奥です。

切り抜き画像。ジャンダルムと思われる岩峰も見えます。雄山神社や大汝休憩所や内蔵助山荘も確認できます。

その左には雲海から頭を出した大天井岳が見えます。常念岳はあの奥に隠れてるのかな。

針ノ木岳から赤沢岳の稜線の奥に、雲海に浮かぶ蓮華岳が見えます。遠くに八ヶ岳や南アルプスの山々が見えましたが、富士山は見えませんでした。

おっと、三角点発見!2004年に三等三角点が設置されたそうです。

こちらは白馬方面。白馬岳と白馬鑓ヶ岳が見えます。白馬岳をはじめ、後立山連峰の山にはまだ登ったことがないので、いつか登ってみたいと思います。というか、普通は順番逆ですよね。白馬方面から剱岳を見たり、常念などから槍穂高を見て「いつか登りたい」と思う人が多いと思いますが、先に登ってしまったので。

白馬岳から五竜岳の稜線。唐松岳の左に不帰ノ嶮(かえらずのけん)が見えます。いつか歩く日は来るのかな。さすがに20kg背負って歩くのは厳しそうですが。手前には八ッ峰の稜線、険しくてかっこいいです。

五竜岳から爺ヶ岳の稜線。五竜岳と鹿島槍ヶ岳の間の八峰キレットもたいへんそう。裏剱にも行ってみたいし、下ノ廊下も歩いてみたい。体力を考えたら早いうちに行ったほうが良さそう。

反対側には早月尾根が伸びてます。

早月小屋の屋根が見えます。その先に見える川は早月川で、下流は魚津市と滑川市の境界になってます。

北側には毛勝山などの山が見えます。どれがどれかよく分かりませんが。

25分ほど休憩してる間、山頂付近には常に20人以上は居たと思います。さらに人が増える前に下りることにしました。最後に、祠の横を通る時に、石積みの肩のところを軽くタッチしてお別れ。

 ありがとう剱岳。また来たいと思います。

 

このあと下山ですが、長くなるのでここで区切ります。

2日目後編へと続きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。